━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Biweekly Physiex Voice Magazine 発声は面白くて深い | ストレッチと筋トレで発声トレーニング ?発声フィジ・エクセ?(無料) vol.002 2015.02.16号 (毎月第一・第三月曜日発行) 発行:発声フィジカル・エクセサイズ研究会 http://physiexvoice.client.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ コンテンツはこちら ■□■□■□■□■□■□■□■□■ 【vol.002 目次】 01. 発声&運動トレーニングトピックス 02. 発声のワンポイント解説 03. 気になるボイスコラム  04. 声のなんでもQA 05. 編集後記 ■□■□■□■□■□■□■□■□■ ☆このメルマガは声という現象に興味を持っていただくこと、「発声フィジカル・エクセ サイズ」という発声トレーニング法を知っていただくことを目的としています。 ☆発声フィジカル・エクセサイズは、解剖学と運動生理学に基づき、ストレッチと無酸素 運動による科学的かつ難易度別のトレーニングで発声の問題の軽減・解消を目指すトレー ニング法です。 トレーニング法の詳細は→ http://physiexvoice.client.jp/ ☆発声フィジカル・エクセサイズは高齢者・認知症・廃用症候群の方にも効果的なことが 特徴です。 ☆発声フィジカル・エクセサイズ研究会は、新しい発声トレーニング法「発声フィジカ ル・エクセサイズ」の普及・発展を目的とした活動をしています。 トレーニング法の詳細は→ http://physiexvoice.client.jp/ ☆メールマガジン購読手続きをされた方は、発声フィジカル・エクセサイズ研究会の会員 扱いとなり、実技講習を受けたり、メルマガのQAで質疑応答ができます。 ご質問は→ http://physiexvoice.client.jp/mail.html ☆メルマガ過去記事はこちら→ http://physiexvoice.side-story.net/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆01. 発声&運動トレーニングトピックス◆ ☆発声や運動トレーニングに関する最新の知見や気になるトピックスをご紹介します☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【002-1】「ロングブレス短期決戦版」 ークロワッサン2015年1月号 http://magazineworld.jp/croissant/croissant-892/ http://longbreath.jp/about_longbreath http://www.youtube.com/watch?v=hxT7jidev8g ロングブレスはひところ一世を風靡してその後賛否両論あるようですが、ダイエ ット方法としてはともかく、呼気筋トレーニングとしてはなかなか良いと思いま す。これのポイントはとにかく思いっきり力を入れながら息を吐くところで、もう 吐けないと思ってからもう二押しぐらい力を入れるというのがいいですね。最大筋 力での等張性運動に等尺性運動を組み合わせていることになるので、筋トレとして はなかなか効果的です。回数も適切ですしお手軽ですので、声量のトレーニングと してはお薦めです。痩せるかどうかまではわかりませんが…。 【002-2】筋トレで大切なことは毎日やらないこと ー2015年1月3日(土)配信 マイナビウーマン http://woman.mynavi.jp/article/150103-67/ 筋トレは回復を考慮してやりましょうという記事。やればやるほどいいというわ けではないのです。 つまり疲労を残したままトレーニングしても筋トレの効果は不充分であり、次の トレーニングは回復がピークに達する頃に行うのが最も効果的という、いわゆる超 回復の理論に基づいた話で、ピークに至るまでがおよそ48時間?なので毎日やら ない方がいいということです。 実は発声フィジ・エクセのサイトにも既に同じ内容の記述があります。発声トレ ーニングも筋トレの一種ですから同じことが言えるわけですね。 リンク → http://physiexvoice.client.jp/kaisetsu22.html ただしこれは栄養状態によって変わりますのでご注意。回復を助ける栄養素を多 くとっていればもっと早いサイクルでトレーニングを行っても大丈夫です。 【002-3】 ストレッチ&フロー発声療法の効果 The Effect of Stretch-and-Flow Voice Therapy on Measures of Vocal Function and Handicap ーJournal of Voice : 2015 www.jvoice.org/article/S0892-1997(14)00112-X/abstract ストレッチ&フロー発声療法というのは、日本ではほとんど知られていません が、StoneとCasteelが推奨した、5段階のシチュエーションの異なるステップを使 って適切な息の使い方を学習させ発声の問題を改善させようという発声訓練法で す。今回はこれを少数例ながら週一回6週間行ったら発声機能にも社会的な不利益 にも変化がみられたという報告です。大規模調査の前の予備的報告のようですが、 考え方は発声フィジ・エクセとも共通しますので、大規模調査の報告が待たれます ね。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆02. 発声のワンポイント解説◆ ☆発声にまつわるわかりにくい用語・概念や発声エクセサイズのコツなど、テーマを毎号 ひとつ選んでワンポイント解説します☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【解説 第2回】筋トレで発声の何を鍛えるのか? 筋トレ=筋肉を鍛えること、というイメージですが、実は目的によってその中身 は大きく異なりますので今回はその解説をします。 筋肉を鍛える方向性は大きく分けて三つ、第一は強い抵抗を押しのけて運動でき ること。これが典型的な筋トレのイメージでしょう。第二は運動のスピードが速く なること。短距離走とかタイムトライアル的なものはこれですね。第三は運動を長 く続けられること。マラソンなどです。どれを鍛えたいかで方法も全く異なります ので、目的をはじめにはっきりさせておくことが必要です。それぞれの名称は筋力 トレーニング、スピードトレーニング、持久力トレーニングということになりま す。 それでこれを発声に当てはめると、声量を上げることが目的の場合は、主に呼吸 筋の筋力トレーニングが必要になります。狭い気道から一気に多量の呼気を出さね ばなりませんので、イメージとしてはビーチボールの空気をギュッと押して空気を 一気に出す感じです。これにはなかなか呼吸筋の力が要りますので、筋力トレーニ ングというわけです。声を長く出すことが目的の場合は、呼吸筋と喉頭筋の持久力 トレーニングが必要になります。これはアクセルとブレーキを調節しながらゆっく り踏み続けるように呼気筋・吸気筋・喉頭筋の力を加減しながら入れ続けねばなり ませんので、強い力は要らず持久力トレーニングが必要になります。スピードトレ ーニングは発声にはあまり必要なく、歌唱などの特殊な発声をしたい場合のみ関係 します。 高齢者でも筋肉を鍛えることは可能なことが確かめられていて、特に中程度の力 を出すことができて比較的疲れにくいタイプUaという筋肉を鍛えると増加できる といわれています。 筋力のトレーニングは負荷を中程度にして5回程度の運動が効果的。持久力のト レーニングは軽い負荷にして10回程度の運動にしますが、高齢者の場合は、同じ 回数をやるにしても一回ごとに休憩をとり、疲労物質の蓄積を抑え、筋の回復を促 すと良いでしょう。これにより血圧の上昇など高齢者で配慮すべきリスクも軽減で きます。疲れを翌日に残すほど行うのは禁物です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆03. 気になるボイスコラム◆  ☆声にこだわりを持つ筆者がこだわってお届けします☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【気になるその2】声優平野綾さんの発声が気になる ◇声の芸能・芸術◇ 声優平野綾さんの発声が気になります。 声優さんは声だけで色々なキャラクターになり切るプロの役者さんですから、なかなか 難しいお仕事なのではないかと思います。絵と声が今ひとつ合っていなかったりするとお 話も台無しになってしまいますから、プレッシャーも相当なことでしょう。 ところで以前テレビを見ていたら平野綾さんという声優さんが出ておられて、興味深い ことをおっしゃっていました。平野さんは若い女性で地声も高めの感じなのですが、少年 の役をやられることもあるそうです。 女性が少年の役を務めることは別段珍しくなく、ドラゴンボールの孫悟空役の野沢雅子 さんとか、エヴァンゲリオンの碇シンジ役の緒方めぐみさんとか、古くは先代ドラえもん の大山のぶ代さんまで幾らでも例はあるようです。ドラえもんは少年ではなくロボットで すが。これら少年の声優を務める方は地声が低めな方が多いようですね。実は音響学的に は声変わり前の男子と女子の地声の高さに差はないのですが、実験をすると7?8割の確 率で男子か女子か聴き分けることができるそうです。ですから本当は声の高さが重要では ないのですが、できるだけ少年ぽく聞こえるように少年役は低めの声の方を選ぶのでしょ う。 で平野さんですが、平野さんの声は高めな感じです。ですので少年の声を当てるときに は喉頭を下に押し下げて発声する、とおっしゃっていました。下を向くのではありません ので念のため。なるほどと思いました。喉頭を押し下げると確かに声は低くなります。と いうのは発声は運動の一種ですので喉頭の筋肉を使います。筋肉を収縮させると運動が生 じるのですが、収縮を上手にやらないと力が入りすぎて筋肉は過緊張になってしまいま す。過緊張になると声帯は引っ張られますので声は高くなり、喉頭も上にあがってきま す。このとき逆に喉頭を下げると今度は過緊張にならず声帯も緩みやすくなりますので、 自然に声も低くなるのではないかと思います。喉頭を押し下げると喉頭から咽頭の空間が 広くなるので反響音が低くなるということもありますね。ちなみに喉頭を下げるのでなく 下を向いてしゃべっても声は低くなりますが、喉頭は圧迫されますし、顎の動きも阻害す るので不自然なしゃべり方になってしまいます。プロの声優さんとしては不自然なしゃべ りはNGですよね。 ところで喉頭を押し下げる方法には二つあって、ひとつは舌を平たくしてぐっと喉頭の 方へ押し下げる方法。舌が喉頭を押すイメージです。もうひとつは喉頭だけをぐっと下げ る方法。説明は難しいのですが、喉頭を下げる作用を持つ筋肉(胸骨甲状筋など)はちゃ んと存在するので理論的にもできます。普通この筋肉だけを単独で動かすことがないので ピンと来ないと思いますが、これが喉頭を下げる筋肉だなとわかればあとは簡単。それだ けに力を入れる練習をするとできるようになります。私もできます。 平野さんがどちらの方法を用いているのかまではわかりませんでした。しかしいずれに しても練習されて身につけたのでしょう。大したものだと思います。声優さんは皆さんこ のようなことができるのでしょうか。プロの声優さんともなると他にもこのようなテクニ ックを色々と身につけているのでしょうか。見るチャンスはありませんが、平野綾さんの 声の出し方がとっても気になります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆04. 声のなんでもQA◆ ☆言語聴覚士がお寄せいただいたご質問にすべてお答えします メルマガ購読者であれば、どなたでもどんなご質問でもOKです☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【Q】発声フィジ・エクセの自主練習はどのくらいやればいいのでしょうか A.発声フィジ・エクセではまずアセスメント、そしてプログラムを経てエクセサイズに 入りますが、重要なのはまず少しでも声が変わることです。声が変わらない場合はウォー ムアップをもう一度やる、姿勢を変える、深呼吸してリラックスする、発声する音を変え るなど幾つかの方法や組み合わせを試してみて下さい。 声が変わったら、ここからが本当に本番の発声エクセサイズです。これを定着させるた めに繰り返して発声を反復します。反復発声回数は最高で50回を目安にして下さい。途 中で休憩したり音を変えても構いません。ただし目標としない声が出てしまった場合には 不成功ですので50回の内にはカウントしません。繰り返しているうちに疲れたりして当 初の声がでなくなることも多くありますが、その場合は休憩しましょう。疲労を残すのは 良くありません。目標とする声が50回に達したら終わりにします。ただし疲れたら50回 に達しなくても終了しましょう。最初のうちは50回を目標とせず、まず10回程度にして おいて、容易にできるようになったら10回ずつ増やしていくのがいいと思います。 ■QAコーナーへのご質問をお待ちしております。  → http://physiexvoice.client.jp/mail.html TwitterからでもOKです → http://twitter.net/PhysiexVoice ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆05. 編集後記◆ 先日、Yahooニュースに人気声優の新田恵海さんが声帯結節の治療のため2月・3月のス ケジュールを変更&延期、という記事が掲載されていました。声帯結節は声を張るお仕事 をされている方の職業病みたいなものですが、拝聴するところでは新田さんは声帯を締め るタイプの発声をしていらっしゃいますので、今後何度も繰り返してしまう可能性があり ます。もちろん担当医から既に声の衛生指導はお聞き及びでしょうが、お声を大切にお仕 事長く続けていただきたいものです。 ■次号vol.003発行予定 2015年03月02日 ======================= Biweekly Physiex Voice Magazine 発声は面白くて深い! | ストレッチと筋トレで発声トレーニング ?発声フィジ・エクセ?(無料) vol.002 2015.02.16号 ( 毎月第一・第三月曜日発行) ■発行人・編集人:  発声フィジカル・エクセサイズ研究会 主宰 渡邉佳弘(言語聴覚士・学術博士)  → http://physiexvoice.client.jp/ ■内容に関するご質問・ご意見・お問い合わせ先:  → physi.ex.voice@gmail.com  または下記メールフォームから  → http://physiexvoice.client.jp/mail.html ■QAコーナーへのご質問をお待ちしております。 ■QAコーナーへのご質問をお待ちしております。 ■QAコーナーへのご質問をお待ちしております。 上記アドレスか http://twitter.net/PhysiexVoice からお寄せ下さい。 ──ご注意──────────────────────  本メールのアドレスは送信専用のため、メールアプリの返信機能で返信いただいてもメ ールは届きません。  上記アドレス宛にお願いいたします。 ─────────────────────────── メールが届かない場合は迷惑メール等に分類されている場合がありますのでメールソフト のドラフトフォルダなどをお確かめください。 ■メルマガ過去記事:http://physiexvoice.side-story.net/ ■Twitter:http://twitter.net/PhysiexVoice ───────────────────────────── ■発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ ■購読解除はこちら: →http://www.mag2.com/m/0001647835.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (C) 発声フィジカル・エクセサイズ研究会. 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